> Q & A

ここでは日頃の診療でのご質問にお答えします。

§脊椎脊髄病疾患

Q. 手術が必要な場合は、どのようなときでしょうか?
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 神経の障害(感覚が鈍い, 力が入りにくい等)が進行性、又は高度の場合や、症状(疼痛・しびれ等)が強く保存療法(薬・ブロック注射・理学療法等)で改善しない場合、手術療法を検討します。

Q. 手術以外の方法はないのでしょうか?
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 症状が軽度であれば、安静・コルセットの装着・薬(内服・外用)・ブロック注射(硬膜外ブロック, 神経根ブロック等)・理学療法(牽引, 低周波, 温熱療法, 運動療法等)で経過をみることができます。
 しかし、原因が元々神経の物理的圧迫によるため原因が取り除かれるわけではなく、症状を緩和させることが目的のいわゆる対症療法となります。そのため再び症状の増悪をみることも少なくありません。

Q. 神経が圧迫されていると診断されたのですが、手術した方がよいのでしょうか?
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 神経が圧迫されても症状や神経障害が生じるとは限りません。実際、大きな腰椎ヘルニアのある患者さんでも無症状で重労働が可能な場合があります。画像上、神経に圧迫があるように見えても三次元的な空間ではうまく神経が圧迫から逃れていることがあります。また末梢神経(腰椎レベル等)の場合は、ある程度機械的刺激に耐えることができます。よって神経の圧迫があれば即手術ということはありません。
 あくまで、耐え難い痛み、歩行障害、明かな神経障害を認める場合に手術療法を検討します。
 但し、中枢神経:脊髄(頚・胸椎レベル)の場合は、自覚症状・神経障害が軽度であっても、圧迫の程度や不安定性が高度で急性増悪や脊髄損傷を生じる危険の高い場合は手術療法を検討します。

Q. 手術で下半身不随になったりしないでしょうか?(腰部脊柱管狭窄症の患者)
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 下半身不随は神経学的にありえませんし、特に腰椎レベルは末梢神経であり、元々ある程度の機械的刺激に耐えられますので、まず生じません。
 頚・胸椎レベルの脊髄の圧迫が高度である場合は、麻酔や手術台にのせる体位変換だけで麻痺が進行することがあり注意が必要です。それでも、術後に新たな麻痺が生じることは非常に稀です。

Q. 高齢でも手術は可能でしょうか?
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 年齢はあまり関係ありません。当院でも93歳で頚椎後縦靭帯骨化症の手術を行った症例や、86歳で7椎間の胸腰椎固定術を行った症例があり、年齢よりもその人の体力、合併症によることが大きいです。逆に、比較的若くても心臓や肺、内科的疾患で手術ができない場合があります。

Q. 入院期間はどのくらい必要でしょうか?
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 個々の病態、手術方法によって異なりますが、大まかに固定を行わない手術は術後2週間、固定が必要な手術は術後3〜4週間の入院期間が必要です。

Q. 退院後の通院はどのくらい必要でしょうか?
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 原則少なくとも術後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、1年6ヶ月、2年、3年の時点で外来受診していただき画像検査を含めたチェックを行います。症状が変化したり、薬がなくなったりした場合には、その都度、月・木・土の外来日に受診していただきます。

Q. 術後に仕事やスポーツは可能でしょうか? またいつ頃から可能でしょうか?
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 個々の病態、手術方法によって異なりますが、大まかに事務的作業は退院後から可能ですが、軽作業は術後3ヶ月より、重労働・スポーツは術後6ヶ月から許可しています。
 胸腰椎のインプラント(金属)を使用した症例では、隣接椎間障害などの合併症を生じる可能性があるため、活動性の高い人は術後1年経過した後にインプラントを除去し、その後から重労働・スポーツを許可しています。

Q. 手術の痛みに耐えられるでしょうか?
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 術中はもちろん完全に痛みのない状態で行いますので問題ありません。術後は、通常のボルタレン坐薬やソセゴン・アタラックスPの筋注による除痛の他に、必要に応じてフェンタニル(オピオイド鎮痛薬)の自己調節静脈内鎮痛法(IV-PCA)を当院では行っております。これは、静脈内に持続的に鎮痛剤を投与し、かつ患者さん自身が痛みに応じて薬剤を追加投与できる方法です。無痛とまではいきませんが、かなり痛みは軽減できます。

Q. 腰痛に効果的なストレッチは?
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 下記のようなストレッチが勧められています。



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