> 頭蓋頚椎移行部奇形

 頭蓋頸椎移行部奇形は、多くの場合無症状でありその場合は注意深く経過を観察する。しかし、頭蓋環椎間・環軸関節の著しい不安定性を生じている(突然死・脊髄損傷の危険性が高い)場合や、脊柱管狭窄を生じて神経症状を呈する場合は手術的治療が必要となる。手術は、不安定性がない場合は圧迫病変の除去のみを行い、不安定性を有する場合は、固定術が選択される。
 奇形の代表的なものとして頭蓋環椎癒合症、環椎形成不全症、頭蓋陥入症、歯突起形成不全症、歯突起骨、Klippel-Feil症候群などがあり、多臓器の奇形を合併していることがあり注意が必要である。

<症例>
 70代男性。10年前より両上肢のしびれ、歩行障害を自覚するようになったが放置していた。半年前より歩行障害が悪化、跛行著明となり他院受診したが脳梗塞の影響といわれ理学療法のみを行っていた。当院紹介受診し精査したところ、頭蓋頚椎移行部奇形による頚髄症と診断し手術を行った。明らかな不安定性はなかったため除圧術のみ行った。これにより、両上下肢の運動・感覚、膀直障害の改善を認め、引き続きリハビリテーション加療を行っている。

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術前X線

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術前MRI

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術前3DCT

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術後X線

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術後MRI

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