> 頸椎症性脊髄症 (不安定性を伴った症例)
<症例1>
30代男性。5-6年前より右手が使いづらくなり当院受診。精査の結果、発達性狭窄 (developmental stenosis) にC3/4局所後弯・不安定性の要素が加わり発症した頚髄症と診断した。前方固定術では術後の隣接椎間障害による再狭窄が危惧されるため、後方からの椎弓形成術にスクリューによる矯正固定を併用することで対応した。スクリュー刺入の際には、安全性向上のために術前に作成した実物大石膏模型を参考にナビゲーション支援下に行った。術後、右手の使い勝手が改善し、経過良好にて退院した。
<症例2>
70代男性。3ヶ月前より右上肢のしびれ・疼痛生じるようになり当院受診。精査の結果、C3/4間に不安定性を有する頚髄症と診断し手術を行った。スクリュー刺入の際には、安全性向上のために術前に作成した実物大石膏模型を参考にナビゲーション支援下に行った。術後、症状は改善し経過良好である。
<症例3>
70代女性。半年前より両肩〜上肢のしびれ・疼痛、歩行障害生じるようになり当院受診。精査の結果、C4前方すべり・C4/5不安定性を有する頚髄症と診断し手術を行った。スクリュー刺入の際には、安全性向上のために術前に作成した実物大石膏模型を参考にナビゲーション支援下に行った。術後、しびれ・疼痛はほぼ消失、歩行も改善し経過良好である。
<症例4>
80代女性。両上肢のしびれ、歩行障害にて他院受診、頚椎症性脊髄症と診断され、別の病院に紹介、保存的に加療されていた。しかし、四肢のしびれが増悪し体動困難となったため救急車で当院受診、手術を希望されたため入院した。手術は、C4前方すべり、C4/5不安定性があるため、スクリューによる固定と椎弓形成術を行った。
術後しびれは改善し、シルバーカー歩行が可能となり経過良好である。
<症例5>
70代男性。四肢のしびれ、巧緻運動障害生じ他院受診、頚椎症性脊髄症と診断され当院へ紹介、手術を行った。手術は、C4, C5すべり、不安定性があるため、スクリューによる固定と椎弓形成・切除術を行った。
術後しびれ・巧緻運動は改善し、経過良好である。